作った曲の紹介 #4 光が射す前に、闇が晴れる前に。

2019-10-23

作った曲 東方アレンジ

t f B! P L
東方緋想天 ~ Scarlet Weather Rhapsody.より、オープニングタイトル「緋想天」のアレンジです。
前回に引き続き3拍子曲。完全に3拍子の魔力に取り憑かれている状態です。
原曲は鈴の音、Violinによるリードが印象的な、それでいてシンプルな曲です。この曲を聞くと雨の降りしきる夜中に寂れた神社を訪れたような映像が浮かびます。それをアレンジで表現したはずなのですが・・・。なんかちょっと違うかもしれません。
一度アレンジして、まとまりきらず、また初めからやり直して、と結構時間がかかりました。
最初の構想とはちょっと違う感もありますが、自分としてはかなり満足行く仕上がりです。

楽曲のご紹介

曲想

オープニングタイトルは特定のキャラの曲ではないため、前文でも書いた夜中の寂れた神社のイメージから曲想(もとい妄想)を広げていった感じです。この神社的なイメージは神楽鈴のほか、拍子木や太鼓の音から連想しているようです。
これまでにご紹介している曲ほどこまやかな曲想が実はなく暗い部屋でニタニタ妄想しているほうが長かったかもしれません。
原曲で最も印象的なのは神楽鈴ですね。また、楽器的にはVibraphoneに近い、オルゴールのような音もずっと鳴っていて、これらをどうアレンジに取り入れるかというのはそこそこ考えました。そのおかげでアレンジをまるっとやり直した面もあるのですが、最終的にはほぼ原曲踏襲に近い感じで盛り込むことになりました。

また、東方緋想天という作品の一つの要素として「天気」があり、この曲では1曲のなかで天気が移り変わるように曲調が変化していくアレンジを目指したつもりです。多分ものすごくわかりにくいので、うまくいってないです。(聴きながら記事を書いていて自分でも自信がなくなってきました。)
Ocean Drumを使用しているので水というか海というかそういう雰囲気は出ていると思います!

イメージは原曲と重ねているので原曲で感じたものを自分なりに表現している、というのがある意味一番の曲想かもしれません。
今までの楽曲では曲に対するキャラがいて、曲から感じるキャラクター性や逆にキャラのイメージがつきやすい部分などと自分の妄想を組み合わせつつ表現しているのに対して、今回は曲そのものから自分が想起するものを表現した感じというか、風景や建物といった楽曲自体とは直接的には関係ない存在が脳内で構築された感じというか。もう何言ってんのかわかんないのでこの話は終わりにしよう。感じてください。

楽器構成

今回のNewcomerは神楽鈴(実際にはスレイベル)とOcean Drumです。
神楽鈴はVintage系EQを刺してHighをかなり盛ってます。ブーストするならデジタル系EQよりもVintage系の方が自然、かつ派手になる気がしてます。この鈴があるかないかで大きく印象が変わりますね。
天気のイメージの話をすると、雨のイメージを出したいところで最初はSE的に雨音を入れたりシンセの音が入っていたりしたのですが、アレンジするうちに全部オケ楽器になっていき、最終的にOcean Drumを採用しました。他にも何か表現の方法はあるかもしれません。

ClarinetはSoloで使用するのは初めてかもしれません。今回は(今回も)笛が大活躍しています。
現実的には通常の二管編成などの場合、オケ全体が鳴っているときはここまで笛は聴こえません(多分)。
なので、自分の中では「笛の人数がやたら多い変則編成」ということにして、Wood Windsの音量をあげています。現実でも人数さえ増やせばいいんだから可能!ということで勝手に納得しています。新しい音源を入手したらちゃんとレイヤーして増やします。
音量バランスは本物をもっと聴いて勉強せねば。

また、最近のアレンジではTimpaniがちょっと出番少なめかな?という感じだったので今回はアクセントで多めに使いました。
もちろん今まで使っていたTaiko、O.Toms、Gran cassaもガンガン鳴らしてます。遠くで鳴っているようにMIXで調整し抑え気味にはしています。盛り上げたかったラスサビでは大活躍させてますが、Timpaniもよく聴こえるようアレンジしました。

今回は全楽器が基本的にはオーケストラの楽器です。シンセ、SEなどは一切なしの方が曲想的にしっくりきました。
なんだか作れば作るほどエピックからは離れて行く気がする。

MIXなど

MIXでもNewcomerとして、Pulsar Audio Muを新規導入しています。
Glue系のTubeコンプがフリーのMJUC jr.のみしかなく、何か1つ欲しいなと色々検討している時にちょうど発表された新作プラグインです。イントロセールで半額なこともあり購入にいたりました。
結果は大正解。
本物やたくさんの種類のコンプを使ったことがあるわけではないので、比較ではなく使い勝手や出音そのものへの評価となりますが、多少きつくかけても割と大丈夫でサチュレーション的に中高音あたりがキラキラしてきます。低音も増しつつ輪郭がはっきりします。
パラレルコンプが可能なので、スレッショルドだけでなく原音をブレンドすることによるバランス調整もできます。見た目もCOOLかつわかりやすくsidechainなどの現代に合わせた追加機能もあり、その効果もわかりやすいです。

今回の楽曲ではGlue compのプリセットを調整して使用しています。プリセットも多くはないですが目的別ではっきりしていて、どの程度コンプレッションがかかっているのかがプリセット名に「-○dB」と入っているので選びやすいです。
日本語で解説してくれている動画もあり、本体の使いやすさも相まってとっつきにくいコンプの中でもかなり手が出しやすいのではないでしょうか。
完全に宣伝になってしまいましたがそれくらいよかったです。とても良い買い物でした。他のコンプ知らないけど。

その他、楽器ごとにサチュレータやVintageEQを刺して音を少し派手にしたり、Reverbを複数使って奥行きを出そうとしたりしています。
色々な先人の知識をググって色々とやってみてますがかなり難しいですね。精進あるのみ。

以上、作った曲の紹介第四弾でした

前作から比べると紆余曲折あり、完成まで時間がかかってしまいました。ブログもまぁまぁ空いてしまった。
作り始める前とはアレンジの方向性がかなり異なっていますが、自分では満足いく出来映えです(自画自賛)。特にサビのHornの使い方、笛のアレンジがお気に入り。
次の課題としては展開の作り方でしょうか。これまで作ってきたアレンジ曲はイントロの作り方や曲の構成・展開が似通っている感が否めないため、次の曲では少しひねりを加えたいところです。
毎回、1曲完成させるごとに1つ次の課題を決めているのですが完全解決はやはり難しい。
少しずつ覚えたり、引き出しを増やして行きたいと思います。
最後になりましたが、ぜひお聴きください。

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